RIVER

いい歳こいたゲイのどーでもいいお話です。

アゲンストザペイン

歌っていうのはすごいもんで。

 

このアーティストが好き!声が好き!とか、流行りの歌で何度も聴いてるうちに好きになったとか、ある状況で流れてきて思い出の一部分として聴いたら思い出すとか、なんだかんだで心の一部にフックしてるわけですよ。映像やら思い出やらとシンクロしてちょっくら心の奥がじんわりしたりするわけですわ。

家路に着く途中に猛烈な便意に襲われ、玄関の扉を開けて最短ルートでトイレに駆け込んだつもりがそこはお風呂場で、しかしもうすでに少数の精鋭が門を突破しており城が陥落寸前だったのでしかたなくその場で自害の道を選んだときにイヤホンから流れてきたのがモーニング娘。の「ザ☆ピース!」だったり、

真夏の熱帯夜の眠れない夜に隣の家から毎晩のように聴こえてきたギターの弾き語りと暑苦しい粘着質な破壊的に下手な歌声のB'zの「いつかのメリークリスマス」だったり、

初めての遠出のドライブデートでドキドキしながら出掛けた先で盛大に側溝にハマり、おいおいこの先どうすんだと気まずい空気になったときにカーレディオから流れるm.c.A・Tの「bomb A Head!」だったり、

いろんな場面でいろんな状況とリンクして瞬時にその場所に引き戻してくれます。迷惑。なかなか迷惑。

 

そんなこたぁどうでもいい。

 

自分の場合はだいたい歌を好きになるのは、とあるワンフレーズに胸を撃ち抜かれる場合が圧倒的に多いです。

全体的な雰囲気で好きになる場合とか、流行りの歌を好きになる場所もあるんだけれどもそれは稀です。すぐ飽きる場合が多いし。

中でもここ最近、普通に生活してて突然心をショベルカーでえぐってきたワンフレーズがこちら。

 

 

感情よくたばれ

涙がこぼれ落ちるけど

 

 

BiSの「アゲンストザペイン」って曲なんですけれども。はっとしましたね。

飾りっ気のない言葉でワンフレーズで強さと弱さもの悲しさと前向きな姿を見せつけてきやがった。なに?なんなの?

このフレーズを最後のサビでムロパナコって子が歌うんですよ。ちょっとした幼さとがむしゃらさが残る強い声で。

歌は心。下手でも届く。本気出せば。来たもん。ぎゅうぎゅう来たもん。

生きてるとつらいこともそりゃある。風呂場でウンコ漏らしたり真夏にメリークリスマス言われたり路頭に迷ってボンバへっだったり。でも生きてます。こんなトゲトゲな日でも息してれば明日は来ます。

 

こんなステキな歌を歌うBiSですが、5月に解散してしまうんですよね…。ほんと残念。

だけど歌は残るから。ずっと。

たぶんこの先つらいことがあったときに、ムロの歌声を思い出して、がんばろう、って思うんだろうな。

 

 

音を立てて崩れ落ちる

でも感じる 届きそう アゲンストザペイン

 

 

この子たちの姿は忘れない。